おすすめ 小説 甘党な先輩は塩対応

あとがき

おすすめ 小説 の紹介文なのに、あとがきが必要と言われた。目つきが鋭い担当の女性に睨みつけられるように。「何でもいいので、読み終えた後の感想をネタバレなしで書いてください」と、意外に可愛い声で。

……まあ、書かないと帰れなさそうだったので仕方がない

最初、タイトルに出てくる塩対応って文字を見て、バイト先にいるつっけんどんな先輩を思い出した。言葉数が少なくて、お客さんから声をかけられてもほとんど単語で済ませんてしまう、不思議な先輩だ。

あれでよくバイト首にならないなって思ってたら、どうやらレストランのシェフの息子らしい。そりゃ、まあそうだろうなとそう聞いて思った。

で、この物語の主人公も似たような娘だ。「笑顔」という意味があるフランス語を冠したケーキ屋の娘らしい。自分で作ったケーキを店の一画に置かせてもらい、それを買って笑顔を浮かべた客の姿を見るのが好きなのだそうだ。

そして、そうした客のひとりに恋に落ちる……。

そこまで読んでわかった所で、ふとバイト先の先輩を思い返してみた。

あの先輩が、お客にそんなことを求めてホールを見て回っているとは思えない。むしろ、とっとと食って帰れ、って言いたげなくらいにブスっとして皿を下げている。

見た目は態度に反して、それなりにイケているのに、それを鼻にかけるでもなく、ましてや看板になろうなんて気概は一切感じられず、厨房から出てくる料理を両手に持ち客席まで運んでいく。

正直なところ、私は先輩のことが嫌いじゃあない。むしろ、好きだ。

なのでなんとか会話にならないかと精一杯試してはきたんだが、これまでに成果があった会話と言えば

「先輩、注文の取り方を教えてください」

「見て覚えろ」

と、

「先輩、休みの日は何してるんですか?」

「家で休んでる」

くらいだ。

それに比べ、この女は……

想い人から「ありがとう」だとかいわれてキュンとしてちくしょくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしいくやしい……

と、こんな感じで、夜がふけていったわけで……

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